【漫画の持ち込み】いい編集者、悪い編集者とは?



プロではない私が編集さんのことを語るのはおこがましいですが、実際に会ったりお話しした経験やネットでのいろんな意見、編集さん自身のインタビューを踏まえ、個人的にいい編集さんとオススメできない編集さんの特徴をまとめました。

いい編集者とは

アドバイスの幅が広い

漫画家/志望者顔負けの漫画知識を持っていて、本当にあらゆる角度から講評をしてくれます。漫画を心から愛しているか、仕事として本気で取り組んでいるので、ものすごく勉強してるんですね。

漫画を描いてる人なら自分で自分の弱点はだいたいわかってますが、その弱点をどう克服すればいいのか、または弱点は無視して長所を伸ばそうとかを提案してくれます。それに自覚してなかった弱点や長所も指摘してくれます。

作者をいかして面白い漫画を作る

描きたくないものを描いても面白い漫画はできないですし、かと言って作家が自由に描きすぎても売れる漫画ができるとは限りません。やり手の編集さんは漫画家の得意なことや強みをいかして漫画を作らせ、面白い漫画になるように軌道修正してくれます。

アラレちゃんやドラゴンボールの作者鳥山明さんは、編集のトリシマさんに意見をもらって、時にはケンカみたいになりながら漫画を作り上げたそうです。トリシマさんは今や伝説の人みたいになっているので、ぜひインタビューを読んでみてください。

『ジャンプ』伝説の編集長は『ドラゴンボール』をいかにして生み出したのか (1/6)

『ドラゴンボール』の作者・鳥山明を発掘したのは『週刊少年ジャンプ』の元編集長である鳥嶋和彦さんだ。『ドラゴンクエスト』の堀井雄二さんをライターからゲームの世界に送り出すなど、漫画界で"伝説の編集者"と呼ばれる鳥嶋さん。今回は『ドラゴンボール』がいかにして生まれたのかをお届けする。 (1/6)

ドラゴンボールの生みの親 『ジャンプ』伝説の編集長が語る「嫌いな仕事で結果を出す方法」 (1/5)

『ドラゴンボール』の作者・鳥山明を発掘したのは『週刊少年ジャンプ』の元編集長・鳥嶋和彦さんだ。『ドラゴンクエスト』の堀井雄二さんをライターからゲームの世界に送り出すなど、「伝説」を残してきた鳥嶋さんだが、入社当時は漫画を一切読んだことがなく『ジャンプ』も大嫌いだった。自分のやりたくない仕事で、いかにして結果を出してきたのか。 (1/5)


言いにくいこともズバッと言う

人の作品に対して「ここがダメ」「ここ直して」と言えないタイプの人がいます。相手が悲しんだり反発したりするのが嫌なのかなと思いますが、編集の仕事は面白い漫画を作ることで、作家の機嫌を取ることじゃありません。

なかにはネームの直しは一切なしで、どんなものを出してもOKしか言わない編集さんがいるそうです。もはや仕事をする気がないですよね。

嫌われることを覚悟できちんと講評できる編集さんは、人として社会人として立派です。本当に漫画家のことを思って仕事をしてくれてます。もし納得できない修正指示があったとしても感情的にならず、「どうして修正したほうがいいのか?自分はこう思う」と冷静に対話しましょう。

オススメできない編集者

絵のことしか言わない

漫画を構成する要素のうち、一番「誰でも見ればわかる」部分なのが絵です。絵の上手い下手はあまり知識がなくても言えますし、好き嫌いもはっきりする部分なので、つい印象に残ってしまう要素なんです。

知識がなくても文句を言える分、他のことを何も知らない、言えない人が絵のことばかり言及することがあります。漫画家さんややり手の編集さんであれば、絵だけではなく物語や演出や構図やキャラやセリフや小物の使い方などにもアドバイスしてくれるはずです。

売れてる漫画の編集さんのインタビューを読んでも、「画力は描いてるうちに上手くなるからあまり気にしない」と言っている人が多いです。

自分の主張が激しすぎる

編集さんはその名の通り編集が仕事です。すでにある情報をまとめて見やすく整理するのが本業です。なのに自分の好きなものを描かせようとしたり、漫画家の個性を無視して自分の思い通りにさせようとする人がいます。こういう人が担当になってもしんどいだけなのでオススメできません。

もちろん編集部全体の意向で「今スポーツ漫画がないからスポーツを書いて欲しい」とか「アニメ化を狙いたいからはちゃめちゃなキャラが欲しい」とかいう注文は別です。

こういうのではなく、自分の考えた最強のキャラを描かせようとするとか、自分がハマってるドラマと同じストーリーにさせようとするとか、漫画家が生み出したキャラが絶対しないような言動をさせようとするとか、そういう公私混同レベルのやつです。

仕事が遅い

ネームの返事に何ヶ月もかかるような編集さんに当たったら、編集者をチェンジしてもらうか別の雑誌に行ってしまう方がいいです。やり手の編集さんは連載作家へ数時間で返事をしますし、優先度が低い志望者であっても数日〜2週間くらいで返事をするのが普通のようです。

返事が遅い人は劇的に仕事ができないか、ものすごく忘れっぽいか、わざと返事をしないという3種類に分けられます。漫画家や志望者にとってネームの返事がどれほど大切かをわかっている人はすぐに返事をくれます。

それを後回しにしまくってる、または忘れてる編集さんはそもそも信用できません。編集者としてどころか社会人としても失格です。

わざと返事をしない人は、「もうこの漫画家/志望者切りたいけど、そんなこと言うと自分が気まずくて傷つくから無視しとこ」ってタイプです。普通の社会人ならどんなに気まずい報告でも責任を持ってやるものですが、相手が個人事業主だから舐めてるのかもしれません。

まとめ

日本の漫画において、漫画家と編集は切っても切れない関係です。個人が描いた漫画がヒットして書籍化!ってのも珍しくなくなりましたが、漫画初心者ほど編集さんの力が必要です。相性のいい編集さんがいたほうが面白い漫画をかける可能性はグッと上がります。

自分の漫画をもっともっと面白くするためにも、自分にあった編集さんを頑張って探しましょう!持ち込みにはコミティアがオススメです。