【漫画家志望の持ち込み】出版社へ行く準備とマナー




前回の記事では、持ち込みのためのアポどりの仕方を説明しました。

漫画原稿を持ち込もう!出版社へ行く準備とマナー

せっかく持ち込みに行くので、聞きたいことをたくさん考えておきましょう。でも時間の都合もあるので、優先順位をつけておいてください。 下はわたしが考えてみた質問です。参考にどうぞ!

今回の記事では、約束を取り付けてからどうすればいいかを解説してます。

当日までに質問を考えておく

せっかく持ち込みに行くので、聞きたいことをたくさん考えておきましょう。でも時間の都合もあるので、優先順位をつけておいてください。

下はわたしが考えてみた質問です。参考にどうぞ!
  • 今の自分にもっとも足りないものは何か
  • 自分の長所は何か
  • 自分の今の作風は雑誌に合っているか(掲載できるか)

あと編集さんと自分の相性を見るのにこういう質問もあります。
  • おすすめの漫画、映画、小説はあるか
  • 編集さんが好きな作品はあるか
  • おすすめの漫画ハウツー、ノウハウ本はあるか
  • 漫画で大事だと思うことは何か

好きな作品が似ていたり、漫画への価値観に共感できる編集さんなら、担当になってもらった時にうまくいくかもしれません。逆に自分の嫌いなものを好きだったら、感性も違うのでちょっとしんどいかもしれません。あといろんな作品を知らないとか、アドバイスの幅が狭い編集さんは、あんまり漫画の勉強をしてないかもしれません。
【漫画の持ち込み】いい編集者、悪い編集者とは?

出版社へ行こう

持ち物

  • 完成原稿(メインのものと、他に自信があるもの)
  • メモと筆記用具
  • 事前に考えた質問
  • 出版社の地図と編集部の連絡先
  • そのまま投稿する場合は必要書類など
原稿は折れないようにこういうファイルケースに入れるのがおすすめです。

早めの行動を心がける

出版社の周辺に30分くらい早く着くつもりで家を出ましょう。少なくとも10分前には出版社に入っているくらいがちょうど良いです。予想外の遅延や忘れ物などがあったとき、余裕をもって行動できます。

もし遅延などで遅刻してしまいそうなときは、わかった時点で編集部に連絡しましょう。黙って遅れるとドタキャンしたと思って会ってもらえなくなります。

会社に着いたら

小学館、集英社、講談社など有名で大きな会社は、だいたい入り口のエントランスに受付嬢がいます。そしてその周りに来客の記入カードがあります。まずこの来客カードに約束した時間と担当者の名前、自分の名前を書きます。

カードを書いたら受付嬢に挨拶して渡しましょう。受付嬢が編集部に連絡をとり、本当に約束があるかどうかの確認をとります。中小企業の場合は受付嬢がエントランスにいなくて、電話の内線で受付の人に繋げてもらうことがあります。もっと小さな会社の場合は、来客カードも内線電話もないこともあります。そういうときは近くの社員に声をかけましょう。

編集さんとご対面

下の階に打ち合わせ用のスペースがあれば、編集さんが下まで来てくれます。挨拶して漫画を見せましょう。そういうのがなければ上の階の編集部まで入ることになります。来客用の首から下げるカードをもらい、会社によっては電車の改札みたいなセキュリティチェックを抜けて社内へ入ります。

うえの階へ上がり、看板などを見ながら目的の編集部のところへ行きます。着いたら編集部内には入らず、入り口あたりの邪魔にならないところで立って待ちましょう。会社によっては編集部の中へ好きに入れるところもありますが、逆に仕事内容を盗み見られるのを警戒して部外者立ち入り禁止になっているところもあります。

もし約束の時間から5分以上待っても会えなかったら、編集部の誰かに声をかけるか携帯電話で電話しましょう。編集部スペースにちょっと入って編集さんを探すか誰かに声をかけるのもOKです。

新人の持ち込みは優先度が低いので、編集さんに急な仕事やトラブルがあったときは後回しにされます。こればかりはしょうがないので、怒らずしょんぼりせず静かに待ちます。

講評中

もしメモを取るのが苦手なら、スマホのレコーダー機能を使いましょう。必ず編集さんに許可を取ってください。

レコーダーがダメなら、メモは要点だけを簡潔にまとめましょう。一字一句をメモしようとするとそっちに集中して話が聞けなくなります。編集さんも慣れてるので様子を見ながら話してくれますが、大事なのはメモではなく編集さんの言ったことをちゃんと理解することです。

質問タイム

講評が一通り終わると、だいたい質問タイムを設けてくれます。講評中に聴きたくなったことがあればそれを優先し、なければ準備しといた質問に入りましょう。優先度の高いものから聞いて、編集さんの時間が大丈夫かどうか気にしながら会話を進めます。自分だけずっと喋りすぎないように注意してください。

担当になってもらう

その編集さんに気に入られるか、一定のレベルの漫画がかけていれば、めでたく担当付き漫画家志望になれます。名刺を渡されて「次からはこのメールアドレスにネーム送って」って言われますね。もしくは「この漫画次のこの賞に出さない?」的なことも言われます。もし他の出版社にも見せる予定なら、まだ原画は渡さない方がいいです。

担当になってもらえない場合、原稿はそのまま返され連絡先なども教えてもらえません。その原稿は他の出版社に見せたり賞に出したりしても大丈夫です。持ち込みでいいことをたくさん聞けたと思うので、また作品を描いて持って行きましょう。

担当付きはスタートラインではない

漫画家志望にとって担当がつくのは本当に嬉しいし誇らしいことです。でも、担当がついたからと言って漫画家になれる訳ではありません。実は、漫画家になるスタートラインにも立てていません…。漫画家になるにはこの後こんな感じの流れがあります。

  1. 漫画賞に何作か出して上の方の賞をとる
  2. 読み切りを何作か書いて実力をつける
  3. 連載会議に何作か出して編集部のGOをもらう
  4. めでたく初連載

よく言われているのが、「漫画賞なら誰でも取れるが、連載を取るのは死ぬほど難しい」という言葉。漫画家志望はすごい多いです。新人だけじゃなく、今連載を持っていない漫画家さんもライバルになってきます。そんな人たちに勝ち続けなければ連載は取れないんですね…。

ごくたまにスカウトされて即連載を獲得しアニメ化までスイスイ行ってる漫画家さんもいますが、あれはレアケースすぎます。長い道のりを覚悟して頑張りましょう!