コピペOK!写真の使用許可を伺うメールの書き方



こちらの記事で、トレパクの是非や合法的なトレパクについて説明しました。
漫画を描くときはできるだけ自分で撮影に行くのがおすすめですが、どうしても行けない場所や撮れない構図があると思います。今回は、合法的に写真の模写、トレースをするために「著作権を持っている人に許可をとる」ための連絡の仕方を説明します。

知り合い、友人

リア友かSNSなどで繋がっている人なら、連絡するのにかしこまったりはしないですよね。でも親しき仲にも礼儀ありなので、口頭ではなく文章として許可を得ましょう。動画でもいいです。もし口頭だけだとあとで「許可は出してない」と言われた時に証拠がありませんし、トレースした絵も世に出せなくなったりしてちょっとめんどくさいことになります。

文章で確認すること

  • 自分の作品(絵or漫画)にあなたの写真を資料として貸して欲しい
  • 貸して欲しいのはこれとこれとこれ
  • 写真は(トレースor模写or写真加工)で使いたい
  • この作品は(ネットor同人誌or漫画賞投稿or商業)で使う予定
  • 謝礼は(出せないorランチ奢るor漫画賞をとれたら5000円など)
  • あなたの写真を使ったというクレジットは(入れるor入れない)

もしがっつり借りて漫画賞などに出すのであれば、トラブルを避けるためにもこれくらい確認しておいた方がいいです。写真に対する意識の違いや謝礼の有無でケンカになったら悲しいですしね。

面識のない一般人

趣味で特定のものを撮り続けていたり、セミプロの機材を持っていたりする人たちはネットにたくさんいます。そんな方々とタッグを組み、写真提供を受けるのも現代ならではのやり方です。この場合も借りたいなら文章で確認しましょう。内容は上とほぼ同じですが、謝礼は払う前提でいた方がいいです。

写真を撮りに行くのに遠征費がかかってますし、あなたに送るために写真を探したりファイルにまとめたりと時間をかけてくれるかもしれません。知らない無名作家にタダで貸すことに抵抗がある人もいると思います。

ネットを介して匿名で謝礼を送りたいときは、Amazonのギフト券が便利です。メッセージでギフトコードを送るだけでいいので、ぜひ使ってみてください↓↓↓



ツイッターやインスタグラムを活用する

写真が趣味の方々はツイッターやインスタグラムで活動用のアカウントを持っているので、SNSで写真を探したりコンタクトを取るのもアリです。すでにネットで写真素材を格安で販売していたり、同人活動をしている方もたくさんいます。こういう方々はプロカメラマンよりも安い謝礼で快く写真を使わせてくれることが多く、個人的には写真提供をお願いするのに一番おすすめです。

わたしも実際、写真集の同人誌を購入したときに聞いてみたことがあるんですが、「全然OKだよ!」「必要なら写真集に使ってないデータもあるから、連絡してくれたらあげるよ」と名刺までいただきました。

カメラマン、企業、出版社、専門家など 

担当編集がいるなら相談

借りる相手がプロなら、担当さんに相談してそっちから連絡をとってもらうのがおすすめです。知らない個人作家が連絡してくるよりも、「あの小学館の漫画本の資料に!?」とインパクトがありますしね。担当さんもこういう手続きにはなれてますし、相場なども知ってると思います。

でもそういうノウハウのない担当さんとか、そもそも担当と一緒に漫画を作らないタイプの出版社の仕事なら、自分で頑張って許可を取るしかありません。

相手がお仕事でその写真を撮っている場合は、本人の公式サイトかSNSにある連絡先、所属企業にメールを写真集や新聞などに載っていて撮影者がわからないようなものは、その出版社に連絡をとりましょう。基本的にメールでのやりとりになります。

例文は、読み切りか連載準備中の新人漫画家ということで作ってみました。下の例文は黄色いところを自分用に書き換えてください。

メール例文

(相手の名前)

突然のご連絡失礼いたします。私、(出版社名)の(雑誌名)の漫画家(※1)の(自分の名前)と申します。
私は現在〇〇〇〇(漫画の概要、連載中ならタイトルなど)という漫画を書いているのですが、この作品に(相手の名前)様の写真を資料としてお借りできないかと思い、ご連絡差し上げました。

つきましては以下をご確認のうえ、○月○日(※2)までにお返事をいただけないでしょうか?作品は現在構想中のため、ラフの状態のものを添付(※3)いたしました。必要がございましたら、合わせてご覧いただけますと幸いです。

お忙しいところ恐れ入りますが、ご検討のほどよろしくお願い申し上げます。

●漫画の概要:男子高校生が戦時中に転生して戦艦を操縦する話(※4)
●漫画の用途:(出版社名)の(雑誌名)に連載予定
●お借りしたい写真:(※5)
●写真の使用方法:(トレースor模写)(※6)
●謝礼:〇〇円程度(※7)
●クレジット:もし単行本が出れば掲載いたします

自分の名前
自分のメールアドレス、電話番号
※1 自分の所属や肩書き。学生なら学校名、肩書きがなければ無いでOK
※2 最低でも1週間後以降に
※3 プロット、ネーム、下書きなど、現状のものを添付またはクラウドサービスにアップしてURLを記載
※4 撮影者も作品内容を確認したいので書く
※5 URLを載せるか資料としてまとめてファイル添付、または「こういう写真が欲しいんだけど持ってないですか?」と具体的に書く
※6 写真加工での使用は厳しいかもしれないので、トレースか模写が無難
※7 相手によりけりだけどカメラマン相手なら必須

使用料について

自治体、公共施設、博物館、図書館など

写真をビジネスとして扱っていないところで、地方自治体や博物館などあまり営利を追求しないタイプの施設は、著作権が切れた写真を無料または格安で貸してくれる場合があります。閲覧申請制度みたいなものもあるので、目的の施設のサイトをよく読みましょう。

ただし写真自体が博物館や図書館に寄贈されてたとしても、まだ撮った人に著作権が残っていることがあります。「撮影者がわからないからトレースしていいかの許可は出せない」ということがあるので、欲しい写真の年代を考えつつ、トレースはせずに資料として見るだけなどこちらが柔軟に対応する必要がありますね。

カメラマンやメディア企業など

プロの写真を借りるとき、一体いくらかかるのでしょうか。下のリンクはプロが企業へ貸した時の料金の目安です。だいたい1枚あたり1万〜3万くらいが相場でしょうか。しかも商品化(単行本化)するときはもうちょっとかかることがあります。高いですね!これはあくまで報道とかマスコミなどのジャンルで写真をそのまま使う場合の値段で、絵の資料用としての相場はほとんど明記されてません。

上の方でも書きましたが、こういうところに連絡する場合は編集さんを通すのがもっともスムーズです。あまり漫画で稼げていない人や無名の人が借りるのは、少しハードルが高いですね。