写真を使って漫画の背景を書く時に注意したいこと〜著作権と商標権と肖像権〜



最近は画像加工ソフトが進化してきてるので、漫画の背景はほとんど写真を使うという人もいます。この記事では、写真を元に背景をかく時に気をつけなければいけないことをまとめました。

何かしでかして訴えられたら「知らなかった」では済まされません。ほんのちょっとでもいいので、いろんなものにはいろんな権利があることを知っておくと役立ちます。

写真の著作権はクリアか

ネットで検索して出てきた写真をテキトーに選んで漫画に使ってはいけません。必ず自分で撮影した写真か、「商用利用、加工、その他諸々OK」のフリー素材を使いましょう。

ちなみに下の記事で少し触れてるんですが、厳密には著作権のない写真もあります。誰がとっても同じ構図になるような写真です。こういう写真でも人のものを勝手に使うとトラブルになる可能性があるので、そのまま使うとか加工ではなく模写にしておくといいかもしれません。

漫画やイラストのトレパクって何がいけないの?

会社やお店の看板、ロゴ

建物がたくさんある場所では大概会社のオフィスやお店の看板が写り込みます。これらを加工したりそのままトレースして使うのはやめたほうがいいです。これは商標権絡みでトラブルになる可能性がゼロではないからです。

実際売られている作品には「こち亀に登場したお菓子屋」とか「主人公が通ってた居酒屋」とかがよくあります。こういうので訴えられたとかいう話はほとんど聞きません。だいたい「あの作品に出ました!」みたいな感じで会社やお店側も好意的に受け取ってます。

ですが、自分の会社の看板やロゴを勝手に使われるのを嫌がる人もたくさんいます。知らない間に漫画に使われて聖地にされるのが迷惑だと考える人もいます。商標権で訴えられたら負けますし、その対応にも時間を取られます。

看板やロゴはそのまま背景にせず、読めないくらい手を加える、文字自体を変える、デザインを半分くらい変えるなどの配慮が必要です。

特徴的なデザインの建物

建物にも著作権があります。どこにでもあるようなデザインなら著作権はないんですが、世界に1つとか観光地とかの有名な建物だとがっつりあります。特に建設から100年以上経ってないものは著作権がきれてないと思うので気をつけてください。建設から何百年経っていても、管理団体が著作権を持っていることもあります。

法的には、営利目的でなければどんな建物でも写真の利用はOKです。無配の漫画なら大丈夫ですね。

建物にも著作権 撮影した写真をSNSに載せて大丈夫?|MONO TRENDY|NIKKEI STYLE

また、建物の敷地外や道路から撮影した時に映り込む程度であれば、営利でも問題ないとされてます。何十ページもある漫画の数コマの、背景のほんの少しの写り込みであれば、その建物の著作権を侵害してるとは言いにくいからみたいです。

実在するキャラクター

ポケモン、サンリオ、ディズニーなどのキャラクターも写真に映り込む可能性があります。街中だとTシャツとかポスタとかラッピング電車とかにたまにいますよね。

こういったキャラは小さく写り込んでしまったとしても、気付いたら消すのが一番おすすめです。建物と同じようにほんの少しなら写り込んでも法的に問題ないんですが、万が一その漫画のせいでキャラのイメージが低下するようなことがあったらトラブルに繋がります。

写り込んだ人の顔

写真を加工して人物をそのまま使うのも良くないです。模写やトレースでも、その人とわかるように書いちゃだめです。モブとして使うなら顔は書かないか、目鼻立ちをシンプルにして誰だかわからないようにしましょう。人には肖像権があるので、悪意のある使い方をしたら法的に負ける可能性があります。

実際に無許可でプロのモデルや芸能人の顔をそのまま使ってる漫画家はいます。「政治への皮肉、社会的なメッセージを強く訴えたい!」「訴えられても逮捕されても構わない!」「芸能人のファンにネットで攻撃されたり脅迫されたりしても構わない!」くらいの覚悟があればいいですが、作品に必要なければやめておきましょう。