読者の感想は参考にするべきか?




ネットに作品をアップすると、コメント欄とかに感想を描いてくれる人がいます。好きとか面白いとか言ってもらえると、とっても嬉しいですよね。

でもたまに感想を超えた「要求」「アドバイス」「批評」みたいなものが送られてくることもあります。この記事は、そういうコメントをもらってどうしようか悩んでる人向けです。3つの判断基準をもとにまとめたので、自分に合わせて選んでみてください。

自分の性格に合わせて決める

漫画投稿サイトだと、漫画のコメント欄は「読者の掲示板」みたいな役割になっていることがあります。「作者へのファンレター」ではなく「自分の独り言」「ツイッターでのツッコミ」みたいな意識で書き込んでいる人も多いです。

そういうタイプのコメントだと、「クッソつまんね」とか「このキャラブス」とか、ただの悪口じゃんみたいな書き込みもあります。あと謎のマウントを取りに来たり、重箱の隅をつつくレベルで論破したがるコメントもたまにあります。

傷つくタイプなら見ない

こういう感想を見てしまってテンションが落ちる人は、そもそもコメント欄を見ない方がいいです。キッパリ見ないと決めるかコメント欄を閉じるのをおすすめします。

プロの漫画家でさえ、編集者が事前にチェックしたファンレターをもらっています。素人の作家がダイレクトに悪意あるコメントを目の当たりにしたら、創作のやる気や自信を失ってしまうかもしれません。

たった数人のコメントで落ち込んでしまうのももったないので、自分の気質に合わせて決めましょう。作品の雰囲気や投稿サイトによってもコメントの質は変わるので、あらかじめ他作品のコメント欄を見てみるといいです。

怒るタイプなら臨機応変に

例に出したようなコメントをもらって、ムキになったりイラっとするタイプの人もいると思います。その怒りを「見返してやるよ!」と創作エネルギーに変えることができれば、コメントは定期的にチェックしていいと思います。褒めてくれるコメントも見たいですしね。

ただムキになってしまう人だと、コメントの真逆を行こうとしたり、ダメ出しをして来た人を唸らせようと意識しすぎてしまうかもしれません。本来の自分の構想や持ち味を活かせなくなってしまう可能性もあります。 

何を言われても平気なら冷静に分析

批判、ダメ出しコメントをもらっても感情を乱されない人は、コメントの傾向や割合などをマーケティング的に利用するのに向いてると思います。漫画書いてるのに編集の仕事もできるような感じです。

ビジネスの知識はウケる漫画を描くのに応用できますよ。冷静にコメントの取捨選択ができれば、本当の意味で読者が求めてるものに応えられますし、コメントに左右されすぎないという最強の作家になれると思います。

コメントの内容で決める

作品の良いところを聞く

  • このキャラのここが好き
  • 今回の話は面白かった
  • 作者のこういうモチーフ選びが好き
  • 感情の表現がうまい

…などなど、褒めてくれるコメントだけを参考にするのはアリです。個人的な意見ですが、短所を改善するよりも長所を伸ばした方が作家の個性と実力は伸びると思います。苦手なことをイヤイヤやってもなかなか成長できず、成長できないことがストレスになってしまいますからね。

自分の好きなものと得意なものはわかると思いますが、褒めのコメントを見ることで自分でも気付かなかった長所を発見できます。長所を意識して描くことができれば、「こういうのが好きな層をターゲットにしよう」と戦略的に制作できますし、力を入れる配分の目安になるし、いいことしかないですよ!

「よくわからなかった」という意見を聞く

もしそんなコメントをもらってしまったら「自分の表現がまずかったかな」と振り返ってみてもいいと思います。5W1Hが書けてなかったとか、主人公の動機がわかんなくて感情移入できないとか、シナリオで必要な要素が欠けちゃってるかもしれません。

シナリオに必要な要素って何よ?と思ったら下の記事も参考にどうぞ!わたしが実際に読んでタメになった本を紹介してます。


ただ文学的とか間接的とかの表現に限っては、「わかんない」は一部無視してもいいと思います。例えばセリフで気持ちや展開を全部言ってしまう漫画と、モチーフの描写だけで伝える漫画はターゲットが違います。間接表現とかに興味ない人は「わかんない」で終わっちゃうし、大好きな人だったら「この作品深い〜!!」と大絶賛するかもしれません。

相手との関係で決める

一口に感想と言っても、全然知らない人がいきなり投げつけてきた言葉と、いつも応援してくれる読者さんが慎重に選んだ言葉は違いますよね。

知らない人の批評はほどほどに

匿名の批判やアドバイスは、もらってもほどほどに受け取っておくのがおすすめです。「作品や作者のことを思って送ったコメント」ではなく、「自分の感情をぶつけただけのコメント」になっていることがわりとあるからです。コメントにしたがった結果人気が落ちてしまってもその人は責任をとりませんし、かと言って自分のせいでもないし、チクショー!ってなってしまいます。

信頼してる人の感想は耳を傾けても

ずーっと作品を応援してくれてる読者さんとか、尊敬してる先輩作家さんとか、なんでも言い合える友人の感想は参考にするのもアリだと思います。普通は関係性を傷つけたくなくて無難なことしか言わないんですが、それでも指摘してくれるところがあれば、そこは本当に欠点なのかもしれません。

まとめ

いろいろ書きましたが、わたしの意見としては、「読者の感想は良いところだけ聞く」のがもっともおすすめです。もし批評が聞きたければ漫画家のアシスタントになって先生に読んでもらうか、コミティアの出張編集部で聞くのがおすすめです。