オススメの漫画のシナリオ、描き方本8冊



実際に読んでわかりやすかったもの、簡単なものから紹介してます。下に行くほど専門的でちょっと小難しいです。シナリオとキャラ作りの本がメイン。

初心者、お子さんにはこれ

わかりやすさ ★★★★★
手頃な価格  ★★★★★
情報量    ★★☆☆☆

『鳥山明のHETAPPIマンガ研究所』っていうのが昔あったんですが、それのリバイバル?みたいな本です。書いてるのはアイシールド21、ワンパンマンなどの作画を担当している村田雄介さん。漫画家になりたい編集部の男性と村田さんの二人が、ジャンプでヒット作を出した漫画家にインタビューしにいくストーリー。

全部漫画形式で書いてあるので、文章が苦手な人や小学生でも読みやすいです。ただ、漫画をすでに何本も書いている方、自己流で勉強している方には「そんなこと知ってるよ〜」っていう内容が多いので物足りないかも。


漫画の神様の本

わかりやすさ ★★★☆☆
手頃な価格  ★★★★★
情報量    ★★★★☆

ほとんど文章、たまに手塚治虫の挿絵が入ってる本。絵のデフォルメの具合、漫画の道具、漫画特有の表現、効果音、構図、話の作り方などなど、漫画を書くときに必要な知識を広く網羅してます。他のハウツー本には書いてないことも多いです。とりあえずこれ一冊あればいいんじゃないってレベル。漫画を何本も書いてる人でも、知らなかった、意識してなかったような内容があると思います。


商業に役立つ、実践的な情報ならコレ

わかりやすさ ★★★★☆
手頃な価格  ★★★★☆
情報量    ★★☆☆☆

『うしおととら』や『からくりサーカス』で有名な藤田和日郎さんの本。漫画家を目指す青年が藤田さんのところにアシスタントに来て、そこで藤田さんにアドバイスもらったり悩んだり怒られたりする様を会話形式で書いてます。図解などはありませんが、噛み砕かれた日本語になってるのでかなり読みやすいです。

漫画のハウツーというよりは精神論というか、漫画家志望の作家向けです。細々した技法などは載っておらず、受ける漫画を書くには?読者が興味を持ってくれるには?みたいな、実践的かつビジネスとして意識しとかなきゃいけないことが丁寧に書かれてます。情報量は他の本に比べると少ないですが、逆に細々した技法に気を取られないで大事なことだけ意識できるので、そこがいいと思います。



ジョジョのヒットの理由

わかりやすさ ★★★☆☆
手頃な価格  ★★★★☆
情報量    ★★★★☆

不動の人気を誇るジョジョシリーズの作者、荒木飛呂彦さんの本。キャラ作り、話作りなど一般的な漫画技法が細かく説明されています。他の本とかぶる内容があるものの、荒木さん独特の価値観や技法なども載っているので、ジョジョみたいなロングヒットを飛ばすヒントになるかもしれません。

ただジョジョのような王道漫画、ヒーローものに限定して説明してるところもあり、それ以外のジャンルの漫画を書く人には「え〜??」ってなる意見がちょっとあります。よく言えば売れる大衆向け作品を書くためのノウハウが多いです。


ハリウッド映画みたいな話を書くならコレ

わかりやすさ ★★★★☆
手頃な価格  ★★☆☆☆
情報量    ★★★☆☆

シナリオのハウツー本を探すとだいたいハリウッド映画が出てきます。その大ヒットを飛ばしまくるルールがどういうものか教えてくれる本。ハリウッドのシナリオは神話などの物語のルールヒーローズジャーニーにのっとっていて、これはヒットしてる漫画や映画にもだいたい共通するらしいです。

冨樫義博さんとかが「物語は自分なりの型に落とし込んで作ってます」って言ってたと思うんですが、そういう型を知っておくと話がスイスイ作れるので時短にもなります。

海外の本のせいか、翻訳にちょっと色が付いてて読みにくい感じがあります。あと不必要な話が長いかな、と感じました。※個人的な意見です。


大人向け漫画を書くならおすすめ

わかりやすさ ★☆☆☆☆
手頃な価格  ★★★☆☆
情報量    ★★★★★

映画やドラマの脚本向けですが、他の本よりかなり踏み込んだ内容が多く知識が増えます。例えば「シャレード」とか、時間と場所を効果的に使えとか、センスのある人は無意識にやってるかもしれないけど知っておくと物語がよくなる感じ。特にこういう「演出」で勉強になることが多かったです。具体例が書かれてるので知識を応用しやすいのも嬉しい。

ただし初版が1985年なので具体例や情報が古いところがあります。文章も詰め込めすぎでちょっと読みにくいです。内容はとてもよく、何度でも読み返したり確認したくなるので、付箋をつけたりマーカーを引いたり、自分なりにまとめ直したりするといいかなあと思います。


魅力的な構図を知りたいなら

わかりやすさ ★★★★☆
手頃な価格  ★☆☆☆☆
情報量    ★★★★☆

中身はイラストがかなり多く、パッと見てすぐに理解できます。著者はコンセプトアートやアニメーションに従事している方なので、映画などのノウハウも混ぜつつイラストや漫画にいかしやすい知識が詰まってます。日本人にありがちな「明暗が均一で絵のメリハリがない」とか、漫画描き初心者にありがちな「顔ばっかり書いて構図にバラエティーがない」とかの悩みを解決してくれます。

ただ、今まで独学で構図の勉強をしてきた方、映画の名シーン模写などをしてきた方にとっては、真新しい知識はないかもしれません。


構図や演技を考える

わかりやすさ ★★☆☆☆
手頃な価格  ★☆☆☆☆
情報量    ★★★★★

映画の構図とか役者の動き方とかそういう系の本です。シーンをより印象深くしたりキャラをかっこよく見せたりしたいなと思って購入しました。中身は文章がメインで、3Dによる解説図と該当する映画のワンシーンが画像で引用されてます。多種多様なシーンを解説していて、映画をたくさん観てきた人にはおすすめです。

アマゾンのレビューがすごくよかったので期待してたんですが、動画っていう立体的で流動的なものを文章で説明してるので理解するまでにカロリーを食う感じです。これに3Dアニメーションの解説DVDとかが付いてればよかったのになあと思います。