同人誌即売会でたまに聞かれる「牛歩」という言葉。本来の意味は、牛の歩みのようにゆっくりしてて物事がさっぱり進まないみたいな感じです。同人で使われる場合もだいたいおんなじで、本やグッズを買うためにサークルに並んでるのに会計が遅くて列がさっぱり進まないことを指します。
注意したいのが、長蛇の列になっていても進みが平均的であれば牛歩ではないということ。サークルも頑張って会計をしているので、牛歩牛歩ってサークルを責めるようなことをむやみにSNSに書いちゃだめです。
牛歩は周囲に迷惑をかける
大人気サークルであれば購入までに列ができるのはよくあることです。列ができること自体は悪くないのですが、列の進みが平均よりもだいぶ遅いと周辺にものすごい迷惑をかけます。そういうわけで、サークル参加者は会計スピードが牛歩にならないように気をつけなくちゃいけません。列に並んでいる人は長時間人混みで待つので体調を崩しやすく、待機列で時間を使ってしまうので他のサークルを回る時間が少なくなってしまいます。牛歩サークルの周辺のスペースは、牛歩でできた列でサークルの前を塞がれてしまうので、いつもよりも人に見てもらえなくなり頒布数も下がってしまいます。運営スタッフは牛歩サークルの列整理をしなくちゃいけないので、他の仕事に手が回りません。
牛歩の原因
いきなりお客さんが増えて対応できてない
よくあるのが、同人の流行で小さなサークルがいきなり大人気になってしまい、お客さんの多さに対応できてないというタイプ。島中サークルで起こると列が大変なことになります。このタイプはサークル側も想定してないので、会計が１人ということも。当日スタッフさんに相談して列形成の協力をお願いするのがベストだと思います。こればっかりはしょうがないので、次から牛歩にならないように気をつけましょう。もし列がながーく伸びてしまった場合は、周辺のサークルに謝罪したりSNSで次から改善しますみたいな声明を出しといたほうがいいかもしれません。
わざと会計を遅くしてる
信じられないことですが、わざと会計を遅くしているサークルもごくごくたまにいるそうです。何度注意されても会計人数を増やさず、その他の行動も改善しないとか。その理由は列を長く保っておけば目立って人気サークルに見えるから、だと推測されてます。あと単純に牛歩の何が悪いかわからない、みたいなことらしいです。
売り子が確保できないとか仕方ない理由はあるにせよ、会計を少しでも早くするコツはいっぱいあります。
会計をスピーディーにするには
頒布物の種類は１種か２種
お客さんが迷う余地がなく、どれを買うか聞く手間も減るので効果的です。コミケで長蛇の列ができるような超大手サークルは、大概新刊１種のみとか新刊とグッズのセットのみというところが多いです。お金を受け取って金額を確認し、すぐに渡せば一人当たり10秒くらいで会計が終わります。１人１点まで
個数も制限しておけばいちいち数えて確認する必要が無くなります。複数欲しい人は並び直してください、というスタンスでやってる大手サークルも多いです。これは転売屋対策にもなるので、転売屋がいなくなる分列が短くなります。この購入数制限のことを同人界隈では「限」と表現してます。１人１点なら１限ですね。
頒布物の値段はキリよく
500円、1000円、1500円、2000円などの500の倍数で値付けするのがおすすめです。小銭を数える手間が減るので会計が明朗で素早くなります。計算も暗算でできるので電卓を使わなくてすみますしね。会計係の人数は2〜4人
普通のイベントであれば机が狭いので２人が限界ですが、壁（イベント会場の壁周りのスペース）とかお誕生日席（スペース島の端っこで向きが違うスペース）とかに配置されたなら、隣のサークルに迷惑をかけることなく３人会計ができることもあると思います。もしイベントに抽選がなければ２スペース取るのもありです。４人会計でやればかなり早く列をさばけます。信頼のおける友人に助けてもらうか、バイト代を出して売り子経験のある人を雇いましょう。
無配はあらかじめセットにしておく
ポストカードやコピー本などの無配があるときは、あらかじめ新刊に挟んでおきましょう。会計時に一緒に渡すようなシステムだと時間を食います。事前アナウンスをしっかり
できれば前日までに値段と頒布物をまとめたお品書きを作ってSNSにアップしときましょう。同人誌を買うのに慣れたお客さんなら、列に並んでる間にお金を用意して素早い会計に協力してくれます。また、１人何点までや完売情報などはSNSでこまめに発信しましょう。スケブ、サインは完売まで受け付けない
大手サークルがよくやってるのが、イベント開始から新刊完売までは会計以外のことは受け付けないという対応。人気サークルでも流石に完売したら列がなくなるので、それから改めて来てくださいとアナウンスしてる人が多いですね。一般参加者ができること
何を買うかはあらかじめ決めておく
最近はお品書きを作っているサークルも増えたので、何を買っていくらになるのか把握しておきましょう。当日スペースにきてから「えーと、これかな？こっちかな？」みたいにやってると迷惑になってしまいます。もし現地で物を見たい場合は列がなくなってから行くのがいいですよ。
